ANAの上級会員ステータスの一つであるスーパーフライヤーズカード(通称:SFC)について、取得するメリットはどれほどあるのか考察してみました。
※筆者は、いわゆる”SFC修行”で取得したわけではないので予めご了承ください。
ANAスーパーフライヤーズカードとは?

ANAスパーフライヤーズカード(SUPER FLYERS CARD)とは、入会条件を満たした方のみが特定のクレジットカードを発行し、そのクレジットカードを保有し続ける限りANAの上級会員のステータスを維持できる仕組みのことです。(JALでも似たような仕組みである「JAL GLOBAL CLUB」、通称JGCがあります。)
入会の条件は、まずANAのマイレージサービスであるANAマイレージクラブに登録をし、プレミアムポイントを50,000以上貯めることです。
このプレミアムポイント(PP)は、マイルとは別で加算されるものになります。そして、プレミアムポイントは同じ区間でも搭乗するクラス(エコノミー、プレミアムクラス、プレミアムエコノミー、ビジネス、ファースト)によっても変動します。
以下、プレミアムポイント(PP)の加算例です。
- 羽田ー那覇 片道 プレミアムクラス正規運賃:3,352PP
- 羽田ー那覇 片道 プレミアムクラス株主優待運賃ほか:2,860PP
- 羽田ー那覇 片道 エコノミークラス株主優待運賃ほか:1,876PP
50,000PPを貯めるには、羽田ー那覇間を正規運賃のプレミアムクラスで最低7.46往復する計算になります。
>加算されるプレミアムポイントについてはANAのHPでシミュレーションできます
ANAの上級会員ステータス
なお、ANAでは1月〜12月で集めたプレミアムポイント数で翌年のステータスが決まります。
- ブロンズ:30,000PP〜(ANAグループ運航分:15,000PP〜)
- プラチナ:50,000PP〜(ANAグループ運航分:25,000PP〜)
- ダイヤモンド:100,000PP〜(ANAグループ運航分:50,000PP〜)
スーパーフライヤーズカードの入会条件を満たすためには、プラチナステータスにならなければなりません。
プレミアムポイントはANA以外のスターアライアンスの航空会社での利用でも加算されます。しかし、50,000PPのうち最低25,000PPはANAグループの運航でなければなりません。
ANAグループの運航便とは、ANAウィングスやエア・ドゥ、ソラシドエアなどのコードシェア便をANAとして予約したものになります。(国際線のコードシェアも含まれます)
ただし、マイルを使用して予約した特典航空券はプレミアムポイントの付与の対象にはなりません。(スカイコインの使用は可能です)
スーパーフライヤーズの特典は?
気になるスーパーフライヤーズの特典をまとめてみました!
① スターアラインアンスのゴールドステータス
② フライトボーナスマイル
③ ANAラウンジの利用
④ 優先チェックインと専用保安検査レーン
⑤ 機内への優先搭乗
⑥ 預け手荷物の許容量アップと優先受取
⑦ 空席待ちの優先
⑧ SFC専用サービスデスク
スターアライアンスのゴールドステータスでは、ANA以外のスターアライアンス加盟の航空会社に搭乗した時に、優先チェックインやラウンジなどのサービスが利用できるようになります。
スターアライアンス加盟航空会社:ルフトハンザ航空、ユナイテッド航空、シンガポール航空、アシアナ航空、中国国際航空、エバー航空など、全26社
優先チェックインと専用保安検査レーンが使用でき、そのままANAラウンジへのアクセスが可能です。国内線の場合は、ソフトドリンク、アルコール飲料とおかきが用意されています。国際線であれば、ラーメンやおにぎりなどの軽食もあります!
優先搭乗は会員本人のみになってしまいますが、優先して機内に乗り込むことができるので機内の通路であまり待つことなく座席にたどり着くことができます。また、自分の座席上の収納棚も空いているので真上に手荷物を収納することができます。

スーパーフライヤーズになるメリットがある人は?
スーパーフライヤーズのメリットは、エコノミークラスを利用することが前提です。ビジネスクラス以上であれば、これらの特典はスーパーフライヤーズでなくとも受けられます。
筆者が思うには、下記のような方々はスーパーフライヤーズへの入会を検討してみてもいいのではないでしょうか。
・飛行機での国内出張が年10~15回程度
・ヨーロッパに頻繁に行く
・アジアに頻繁に行く
出張が年10~15回ほどですと、プレミアムポイントがボーナスで付与されるキャンペーン等がない限りは、プラチナステータスにはギリギリ到達しないと思います。(プライベートでよく乗るのであれば別ですが)
しかし、スーパーフライヤーズに入会しておけばプラチナステータスとほぼ同じサービスが受けられます。
もちろん、ANAラウンジの利用も可能です。ビールなども置いてあるので、仕事終わりに搭乗までゆっくり過ごすことができます!
日本からヨーロッパへ行く際は、フランクフルト空港を玄関口として経由することも多いと思います。その際は、ANAと同じスターアラインンスで、ANAのマイルも利用できるルフトハンザドイツ航空も便利です。
スターアラインアンスにはその他にもシンガポールエアライン、タイ国際航空、エアチャイナ、エバー航空などアジアの航空会社が多く加盟しています。
出張や旅行でアジアの国々に行く機会が多い人は、これらの航空会社の利用の際に、スターアランイスゴールドの特典が受けられます。
スーパーフライヤーズのデメリットは?
スーパーフライヤーズのデメリットを書いておきます。
① 維持するのにクレジットカードの年会費がかかる
② SFCの特典を受けられるのは同伴者1名までなどの限りがあるので団体旅行が多い方には不向き
③ ”修行”をする場合はお金と時間が必要
④ SFCの特典の内容が変更になるリスクがある
スーパーフライヤーズのクレジットカードは最も安いもので、マイル還元率0.5%の一般カードの年会費11,275円(税込)です。
しかし、マイル還元率を1%にするには、移行コースとして別途費用がかかります(JCB:5,500円、Visa/Master:6,600円)。
最もコストパフォーマンスに優れているのがVisa, Master, JCBのゴールドカードだと思います!
スーパーフライヤーズの優先搭乗やラウンジなどのサービスが利用できるのは、カード保持者と同伴者1名に限ります。大人数で旅行をすることが多い方は、スーパーフライヤーズを活用するのが難しいかもしれません。
スーパーフライヤーズ会員を目指す”修行”を行う場合は、時間と航空券代、さらに空港までの交通費などがかかります。
年1~2回しか飛行機に乗らないのであれば、そこに投資するメリットがあるのか正直少ないのではと思います。スーパーフライヤーズの取得方法はやはり出張メインが理想です。ANAの上級会員に憧れる方も多いと思いますが、いま一度本当に必要かどうか入念に検討してみるのが良さそうです。
アップグレードポイントについて
最後、ANAのアップグレードポイントについてです。
こちらはスーパーフライヤーズの会員でなくとも、ANAのマイレージクラブ会員であれば前年に獲得したプレミアムポイント(PP)に応じて付与されるのものになります。(スーパーフライヤーズ会員はボーナスでさらに4ポイントが貰えます)
アップグレードポイントを使用すれば座席のアップグレードが可能になるので、特に国際線を利用する場合は大変お得です。
また他の使用方法として、ラウンジの利用や、1ポイント=1,000スカイコインに変えることもできます。
このアップグレードポイントは、ANAならではのサービスとなっています!