ワイン

ソムリエ試験対策!イタリアのワインの産地の解説

   

 

ソムリエ・ワインエキスパートの試験対策にも役立つイタリアの産地の解説です。(もちろん試験を受けないけれど、ワインについて知りたい方も大歓迎です!)

イタリアはフランスと並ぶワイン大国のため、覚える分量が多いです。

イタリアの原産地呼称制度

北部イタリアの説明に入る前に、イタリアの原産地呼称制度について解説します。

イタリアはEUのワイン法に基づいた表記(D.O.P./I.G.P./Vino)以外に、2009年まで使われたイタリアの旧表記も認められています。

  • D.O.C.G.
  • D.O.C.
  • I.G.T.
  • Vino de Tavola

上から順にD.O.C.G.>D.O.C.>I.G.T.>Vino de Tavolaになります。

 

イタリア北部の概要

北部イタリアは次の8つの州で構成されます。

  1. ヴァッレ・ダオスタ州(Valle d'Aosta)
  2. ピエモンテ州(Piemonte)
  3. リグーリア州(Liguria)
  4. ロンバルディア州(Lombardia)
  5. トレンティーノ・アルト・アディジェ州(Trentino-Alto Adige)
  6. フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州(Friuli-Venezia Giulia)
  7. ヴェネト州(Veneto)
  8. エミリア・ロマーニャ州(Emilia Romagna)
north italy

 

ミラノやヴェネチアなど、経済的に重要な役割を果たしている都市があります。

北側にアルプス山脈がそびえ、冬は冷え込む地域です。

ピエモンテ州をはじめ、フランチャコルタの産地であるロンバルディア州、イタリア最大の生産量を誇るヴェネト州など、ワインを語る上でも北部イタリアは重要です。

さらに詳しく見ていきましょう!

ピエモンテ州

イタリア北部の西に位置するのがピエモンテ州で、ピエモンテは山の麓という意味だそうです。州都はトリノ。

ピエモンテ州は中部イタリアのトスカーナ州と併せて、イタリアワインの名産地として世界中に知られています。

ネッビオーロを使用した赤ワインが特に有名で、イタリアワインの王様と称される「バローロ」や「バルバレスコ」を生み出しています。

<黒ぶどう>

  • ネッビオーロ(別名:スパンナ
  • バルべーラ
  • ブラケット
  • ドルチェット

<白ぶどう>

  • コルテーゼ
  • モスカート・ビアンコ
  • アルネイス

 

主なD.O.C.G.

  1. バローロ(赤)
  2. バルバレスコ(赤)
  3. バルベーラ・ダスティ(赤)
  4. バルベーラ・デル・モンフェッラート・スペリオーレ(赤)
  5. ディアーノ・ダルバ(赤)
  6. ドリアーニ(赤)
  7. オヴァーダ(赤)
  8. ガッティナーラ(赤)
  9. ゲンメ(赤)
  10. ニッツァ(赤)
  11. ルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェッラート
  12. ブラケット・ダックイ、アックイ
  13. アスティ
  14. エルバルーチェ・ディ・カルーソ、カルーソ
  15. ガヴィ(白)
  16. アルタ・ランガ(白泡・ロゼ泡)
  17. ロエーロ(赤・白)

バローロからルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェッラートまでの11のD.O.C.G.は赤ワインのみを生産しています。また、ガッティナーラ、ゲンメではネッビオーロのことをスパンナと呼んでいます。

ブラケット・ダックイ及びアックイは赤のスパークリングワインになります。(甘口もあり)

アスティ、エルバーチェ・ディ・カルーソ、ガヴィは白ワイン白のスパークリングワインのみです。(アスティは甘口のスパークリングワインも認められています。)

アルタ・ランガは白とロゼ両方のスパークリングワインが認められています。

ロエーロはピエモンテ州のD.O.C.G.でただ一つ、赤ワインと白ワインが認めらています。

なお、ピエモンテ州の主なD.O.C.は下記の通りです。

  • ランゲ
  • バルベーラ・ダルバ

ランゲは赤、白、ロゼと幅広いワインを生産しています。

 

ロンバルディア州

milano

ロンバルディア州は北部イタリアのちょうど中央に位置しています。州都はミラノ。

高級スパークリングワイン「フランチャコルタ」の産地もロンバルディア州です。

主なD.O.C.G.

  1. フランチャコルタ(白泡・ロゼ泡)
  2. オルトレポ・パヴェーゼ・メトド・クラシコ(白泡・ロゼ泡)
  3. モスカート・ディ・スカンツォ、スカンツォ(甘口赤)
  4. スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ(赤)
  5. ヴァルテッリーナ・スペリオーレ(赤)

フランチャコルタとオルトレポ・パヴェーゼ・メトド・クラシコは、白とロゼのスパークリングワインを生産しています。

その他のD.O.C.G.は赤ワインのみ認められています。

モスカート・ディ・スカンツォは甘口の赤ワインで「モスカート・ディ・スカンツォ」という品種を用います。それ以外はキアヴェンナスカ主体の赤ワインです。

※キアヴェンナスカとはこの地方におけるネッビオーロの呼び方です

主なD.O.C.はヴァルテリーナ・ロッソです。キアヴェンナスカを使用した赤ワインを生産しています。

 

ヴェネト州

venezia

ヴェネト州はアドリア海に面する州で、州都はイタリアを代表する観光地であるヴェネツィアです。

州別のワイン生産量一位であることが多く、ワイン醸造時の搾りかすを使った蒸留酒グラッパも有名です。

ヴェネト州で栽培される主な品種になります。

<黒ぶどう>

  • コルヴィーナ
  • ロンディネッラ

<白ぶどう>

  • ガルガネガ
  • トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ
  • グレーラ

 

主なD.O.C.G.

  1. コッリ・アゾラーニ・プロセッコ(白泡)
  2. コネリアーノ・ヴェルドッビアーデネ・プロセッコ(白泡)
  3. レチョート・ディ・カンベッラーラ(白甘)
  4. レチョート・ディ・ソアーヴェ(白甘)
  5. ソアーヴェ・スペリオーレ(白)
  6. リソン(白)
  7. コッリ・エウガネイ・フィオル・ダランチョ(白)
  8. コッリ・ディ・コネリアーノ(赤・白)
  9. アマネーロ・デッラ・ヴァルポルチェッラ(赤)
  10. バニョーリ・フリウラーロ(赤)
  11. バンドリーノ・スペリオーレ(赤)
  12. ピアーヴェ・マラノッテ(赤)
  13. モンテッロ・ロッソ(赤)
  14. レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ(赤)

 

その他の州

リグーリア州

イタリア、及び地中海で最大規模の港湾都市ジェノヴァが州都のリグーリア州です。バジリコペーストを使用したジェノベーゼでも知られています。

そんなリグーリア州にはD.O.P.Gはなく、主なD.O.C.は3つです。

  1. チンクエ・テッレ(白)
  2. チンクエ・テッレ・シャッケトラ(白甘)
  3. オルメアスコ・ディ・ポルナッシオ(赤)

 

トレンティーノ・アルト・アディジェ州

トレンティーノ・アルト・アディジェ州はスイスとの国境沿いに位置し、州都はトレントです。こちらもD.O.C.G.はありません。

D.O.C.トレントでは、瓶内二次発酵のスパークリングワイン(白・ロゼ)を生産しています。

 

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州

ヴェネト州の北に位置し、白ワインを主に生産しています。

主なD.O.C.G.は下記の通りです。

  1. コッリ・ディ・オリエンターリ・デル・フリウリ・ピコリット(白甘)
  2. ラマンドロ(白甘)
  3. ロサッツォ(白)

 

エミリア・ロマーニャ州

ヴェネト州の南部に位置し、州都はボロネーゼパスタで有名なボローニャです。フェラーリが本社を構えるモデナもこの州にあります。

主なD.O.C.Gは下記の通りです。

  1. ロマーニャ・アルバーナ(白)
  2. コッリ・ボロニェージ・クラッシコ・ピニョレット(白)

赤・白の両方を生産可能なD.O.C.ロマーニャもあります。

以上、イタリア北部のワインの産地の解説はここまでです。次はトスカーナ州などがあるイタリア中部になります!

 

イタリア中部の概要

イタリア中部は6つの州で構成されます。

  1. トスカーナ州(Toscana)
  2. ラツィオ州(Lazio)
  3. ウンブリア州(Umbria)
  4. マルケ州(Marche)
  5. アブルッツォ州(Abruzzo)
  6. モリーゼ州(Molise)

トスカーナ州

トスカーナ州の州都は、赤いレンガの屋根の景観が特徴的な芸術の町フィレンツェです。

赤ワインが全体の8割強を占めるトスカーナ州ですが、実は世界で初めて原産地呼称制度を導入しました。1716年のことです。

トスカーナ州で主に栽培されているぶどうの品種です。

<黒ぶどう>

  • サンジョヴェーゼ
  • カナイオーロ・ネーロ

<白ぶどう>

  • ヴェルナッチャ
  • マルヴォジア・ビアンカ
  • トレッビアーノ

 

主なD.O.C.G.

トスカーナ州の主要D.O.C.G.は11個あります。

  1. ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ(白)
  2. ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(赤)
  3. カルミニャーノ(赤)
  4. キャンティ(赤)
  5. キャンティ・クラシコ(赤)
  6. モンテクッコ・サンジョヴェーゼ(赤)
  7. モレッリーノ・ディ・スカンサーノ(赤)
  8. ヴァル・ディ・コルニア・ロッソ(赤)
  9. スヴェレート(赤)
  10. ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノ(赤)
  11. エルバ・アレアティコ・パッシート(赤甘)

ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノはトスカーナ州で唯一白ワイン(白のみ)を生産可能なD.O.C.G.です。

キャンティ・クラシコはフィレンツェの南東に広がる丘陵帯で、この一体を「キャンティ」と呼ばれています。キャンティの生産地域が広がったため、キャンティとは区別するために「キャンティ・クラシコ」と呼ぶようになりました。

モレッリーノ・ディ・スカンサーノではサンジョヴェーゼのことを「モレッリーノ」と呼んでいます。

エルバ・アレアティコ・パッシートでは、アレアティコという品種で甘口の赤ワインを生産しています。

他のD.O.C.Gは、サンジョヴェーゼ100%、あるいはサンジョヴェーゼ主体の赤ワインになっています。

そして、下記3つがトスカーナ州の主なD.O.C.になります。

  • ボルゲリ(赤・白・ロゼ)
  • ポミーノ(赤・白)
  • ボルゲリ・サッカシア(赤)

 

ラツィオ州

ラツィオ州はイタリアの首都ローマがある州です。(写真はローマ市内にあるバチカン市国のサンピエトロ大聖堂)

主なD.O.C.G.は3つ、D.O.C.は2つです。

主なD.O.C.G.

  1. カンネッリーノ・ディ・フラスカーティ(白甘)
  2. フラスカーティ・スペリオーレ(白)
  3. チェザネーゼ・デル・ピリオ(赤)

カンネッリーノ・ディ・フラスカーティは甘口の白ワインを生産していますが、この地域ではドルチェとは言わずカンネッリーノと言います

ラツィオ州の主なD.O.C.は2つです。

  • エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネ(白)
  • フラスカーティ(白)

エスト!エスト!!〜は決してふざけている訳ではなく、正式名称です。

どちらも白ワイン(発泡もあり)のみが認められています。

 

ウンブリア州

ウンブリア州は内陸に位置し、イタリア中部では唯一海に面していない州になります。州都はペルージャです。

主なD.O.C.G.

  1. モンテファルコ・サグランティーノ(赤)
  2. トルジャーノ・ロッソ・リゼルヴァ(赤)

モンテファルコ・サグランティーノはサグランティーノという品種を使った赤ワインになります。

トルジャーノ・ロッソ・リゼルヴァはサンジョヴェーゼ主体です。

 

マルケ州

マルケ州はアドリア海に面した州で赤、白どちらも生産されています。トリュフの名産地として知られています。

主なD.O.C.G.

  1. カステッリ・ディ・イエージ・ヴェルディッキオ・リゼルヴァ(白)
  2. コーネロ(赤)
  3. オッフィーダ(赤・白)
  4. ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ・リゼルヴァ(白)
  5. ヴェルディッキオ・ディ・セッラペトローナ(赤泡)

 

アブルッツォ州

アブルッツォ州はマルケ州の南に位置する州です。

主なD.O.C.G.

  1. モンテプルチャーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネ(赤)

D.O.C.G.はこの一つだけで、モンテプルチャーノ主体の赤ワインです。

D.O.C.は下記の2つです。

  • モンテプルチャーノ・ダブルッツォ(赤)
  • トレッビアーノ・ダブルッツォ(白)

モリーゼ州には特筆すべきD.O.C.G(D.O.C.)はありません。

以上、イタリア中部の解説でした。最後はイタリア南部になります!

 

イタリア南部の概要

イタリア南部は6つの州(島を含めて)で構成されます。

  1. カンパーニア州(Campania)
  2. バジリカータ州(Basilicata)
  3. プーリア州(Puglia)
  4. カラブリア州(Calabria)
  5. シチリア州(Sicilia)
  6. サルデーニャ州(Sardegna)

 

カンパニア州

napoli

カンパニア州はピザで有名なナポリが州都です。

アリアニコという品種を用いた赤ワイン、フィアーノを用いた白ワインを主に生産しています。

主なD.O.C.G.

  1. アリアニコ・デル・ダブルノ(赤・ロゼ)
  2. タウラージ(赤)
  3. フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ(白・白泡)
  4. グレーコ・ディ・トゥーフォ(白・白泡)

グレーコ・ディ・トゥーフォのトゥーフォは火山の灰が凝固した土壌です。ロワールで登場した石灰質の土壌トゥファと名前は似ていますが異なるものです!

アリアニコ・デル・ダブルノ、タウラージはどちらもアリアニコが主体です。

 

バジリカータ州

バジリカータ州は、州の多くが山脈で起伏が激しいためワインの生産量は少ないです。

D.O.C.G.は一つしかありません。アリアニコ主体の赤ワインが認められています。

  1. アリアニコ・デル・ヴルトゥレ・スペリオーレ(赤)

 

プーリア州

プーリア州は北部のヴェネトと州と並んで、ワインの生産量が多い州です。特に赤ワインが多いです。

主なD.O.C.G.

  1. カステル・デル・モンテ・ボンビーノ・ネーロ(ロゼ)
  2. カステル・デル・モンテ・ネーロ・ディ・トロイア・リゼルヴァ(赤)
  3. カステル・デル・モンテ・ロッソ・リゼルヴァ(赤)
  4. プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア・ドルチェ・ナトゥラーレ(赤甘)

①は、ボンビーノ・ネーロという品種を使ったロゼワインになります。

②③は、ネーロ・ディ・トロイアという品種をメインに使った赤ワインです。

④は、プリミティーヴォの甘口の赤ワインになりますが、プリミティーヴォはカリフォルニアのジンファンデルと同じ品種になります。

主なD.O.C.は下記の通りです。

  • プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア(赤)

プリミティーヴォの赤ワインになります。(甘口ではありません)

 

カラブリア州

カラブリア州はイタリア半島の最南端に位置します。

こちらにはD.O.C.G.はありません。主なD.O.C.も次の一つです。

  • チロ(赤・白・ロゼ)

赤・白・ロゼが認められており、赤とロゼはガリオッポ、白はグレーコ・ビアンコという品種を使用します。

 

シチリア州

シチリア州は地中海で最大の島であると同時にイタリアで最大面積を誇る州でもあります。

日本ではレモンのイメージが強いかもしれません。

主なD.O.C.G.

  1. チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア(赤)

ネーロ・ダヴォラという品種を主体の赤ワインです。

主なD.O.C.になります。

  • マルサーラ(赤・白)

マルサーラは酒精強化ワインです。熟成度合いによって3つに分類されます。

 

サルデーニャ州

サルデーニャ州はフランスのコルシカ島のすぐ南にある大きな島です。

イタリア本土とは異なる固有品種によるワインが特徴的です。

主なD.O.C.G.

  1. ヴェルメンティーノ・ディ・カッルーラ(白)

ヴェルメンティーノ主体の白ワインです。少ないですが発泡のワインもあります。

主なD.O.C.になります。

  • ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ(白)

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノという品種を用いて、酸化熟成させた白ワインです。スペインのシェリー酒と似た造り方です。

 

長かったと思いますが、以上でイタリアの主要産地の解説は終わりです。