前回、フランスのブルゴーニュ地方の概要と代表的な6つの生産地区を説明しました。
この記事では6つの生産地区の内、シャブリ(Chablis)について詳しくみていきたいと思います。
シャブリという名前を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。ブルゴーニュ地方の白ワインの名産地の一つです!
まだブルゴーニュ全体について把握していない方はこちらの記事をご覧ください!
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シャブリ&グラン・オーセロワの概要

シャブリ(Chablis)とグラン・オーセロワ(Grand Auxerrois)は、ヨンヌ県の産地でブルゴーニュ地方の中では最も北に位置します。
シャルドネをメインに栽培しており、ブルゴーニュ地方を代表する白ワインの産地の一つとして世界中に知られています!
シャブリ地区の大部分は、石灰岩のキンメリジャン土壌で、その土壌の中には牡蠣などの貝類の化石が含まれています。シャブリの白ワインが牡蠣との相性が良いとされる理由の一つかもしれません。
シャブリとグラン・オーセロワのA.O.C.をまずご紹介します。
- シャブリ・グラン・クリュ(Chablis Grand Cru)
- シャブリ・プルミエ・クリュ(Chablis Premier Cru)
- シャブリ(Chablis)
- プティ・シャブリ(Petit Chablis)
- ヴェズレイ(Vézelay)
- サン・ブリ(Saint-Bris)
- イランシー(Irancy)
下記の2つのA.O.C.は特に出題が多いのでしっかり特徴を把握しておきましょう!
イランシーはピノ・ノワール主体の赤ワインを生産するこの地区でただ一つのA.O.C.です。そのほかは全て白ワインを作っています。
サン・ブリはブルゴーニュ地方で唯一ソーヴィニヨン・ブランで白ワインを作っています。地図を見るとサン・ブリは、同じソーヴィニヨン・ブランで有名なロワール地方のプイイ・フュメ(Pouilly-fumé)などに近いことが分かります。
下のマップでA.O.C.の位置を確認できます。
シャブリ・グラン・クリュ
続いて、シャブリ・グラン・クリュ(Chablis Grand Cru)についてです。
シャブリ・グラン・クリュには7つのクリマ(=畑の区画)があり、すべてスラン川の右岸に位置しています。
一方、シャブリ・プルミエ・クリュはスラン側の左岸にも広がっています。シャブリ・プルミエ・クリュに認定されているクリマは40あります。
いずれも白ワインのみが認められています。
下記がシャブリ・グラン・クリュの7つのクリマの名前です。
- ブランショ(Blanchot)
- レ・クロ(Les Clos)
- ヴァルミュール(Valmur)
- グルヌイユ(Grenouilles)
- ヴォーデジール(Vaudésir)
- プルーズ(Preuses)
- ブーグロ(Bougros)
Googleマップで検索しても出てこない地名もありましたので、今回は手書きの地図を貼っておきます。(大まかな位置をチェックしてください)

できれば7つのグラン・クリュすべて抑えたいところですが、最大面積のレ・クロ、最小面積のグルヌイユは最低限覚えておきましょう。また、最東のブランショと最西のブーグロも知っておくとなお良いです!
シャブリには、ムートンヌ(Moutonne)と呼ばれる歴史あるエリアがあります。ヴォーデジールとプルーズにまたがっており、長らくシトー修道会の所有地でした。
現在はドメーヌ・ロン・デパキ(Domaine Long-Depaquit)が所有しており、『Chablis Grand Cru Moutonne』の表記がされます。

学習のポイント
- シャブリで最も東に位置するGrand Cruは?
- シャブリで面積が最も広いGrand Cruは?
- シャブリで最も西に位置するGrand Cruは?
- Grand-Auxerroisでソーヴィニヨン・ブランの白を生産しているAOCは?
解答
- Blanchot
- Les Clos
- Bougros
- Saint-Bris
終わりに
シャブリは日本での人気が特に高い白ワインです。
シャブリはブルゴーニュの白ワインの中では比較的お手頃で、銘柄によって2,000円前後で購入することができます。
また、ドライでさっぱりとした味わいが様々な料理と合わせることができ、和食と一緒に楽しむことができるのも人気の理由だと思います。
暑い夏の日の夕暮れに飲む冷えたシャブリは堪りません!