近年になって注目を浴びている南アフリカのワインですが、その歴史は実に17世紀まで遡ります。
それでは早速、南アフリカの概要から見ていきましょう。
南アフリカの概要
南アフリカはアフリカ大陸最南端に位置する国で、気候は地中海性気候になります。
そして、春から夏にかけてケープドクターと呼ばれる乾いた風が吹き、ぶどうの病気を防ぐ効果があります。そのため、最近では無農薬あるいは農薬の使用を最小限に抑えたワインが生産されています。
ワインの歴史は1659年にケープタウンの総領事リーベックが初めてワインを作ったところからスタートします。
1918年にはぶどう農家を中心とした組合、南アフリカ醸造者協同組合(KWW)が設立されました。
1925年には交配によって南アフリカオリジナルの品種ピノタージュが開発されました。
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原産地呼称制度
南アフリカの原産地呼称制度はW.O.となります。(Wine of Originの頭文字)
ヨーロッパの制度がベースとなっており、原則85%ルールが適用されています。(品種、ヴィンテージの記載)
産地名を記載する場合は例外的にその産地のぶどうを100%使用していなければなりません。
主なぶどうの品種
続いて、南アフリカで栽培されている主なぶどうの品種です。
<黒ぶどう>
- カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)
- シラー(Syrah)
- ピノタージュ(Pinotage)
<白ぶどう>
- シュナン・ブラン(Chenini Blanc)
- ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)
- コロンバール(Colombard)
概要のところで少し触れたピノタージュは、ピノ・ノワール(Pinot Noir)とサンソー(Cinsault)を交配したものになります。
シュナン・ブランにおいては、栽培面積世界1位を誇ります。
南アフリカでは、ボルドーワインのように複数品種をブレンドすることが多いです。
主な生産地域
南アフリカのワインの産地はまず6つの州に分けられます。
- 西ケープ州
- 北ケープ州
- 東ケープ州
- クワズル・ナタール州
- リンポポ州
- フリーステイト州
この6つの州の中で西ケープ州が特に重要な産地です。約90%のワインが西ケープ州で作られています。
そして西ケープ州は、さらに5つのエリアに分けることができます。
- 沿岸地域
- ケープ・サウス・コースト地域
- ブレード・リヴァー・ヴァレー地域
- クレイン・カルー地域
- オリファンツ・リヴァー地域
各地域の特徴
上記でご紹介した5つの地域の詳しい地図になります。

- グリーン:沿岸地域
- ピンク:ケープ・サウス・コート地域
- ボルドー:ブレード・リヴァー・ヴァレー地域
- オレンジ:クレイン・カルー地域
- レッド:オリファンツ・リヴァー地域
沿岸地域の中でも下記の8つが重要な産地になります。
- ステレンボッシュ(Stellenbosch)
- フランシュック(Franschhoek)
- パール(Paarl)
- ウェリントン(Wellington)
- ティルバッハ(Thulbagh)
- スワートランド(Swartland)
- ダーリン(Darling)
- ケープタウン(Cape Town)
ステレンボッシュ地区は、主に赤ワインを中心に生産しており、南アフリカで最大の栽培面積です。ワインについて学べる唯一の大学があるのもこの地区です。
フランシュック地区は、キャップ・クラシックと呼ばれるスパークリングワインの産地として知られています。
パール地区は南アフリカでワインの輸出を行う最大の企業である「KWV」が本社を構える地区です。
スワートランド地区は沿岸地域で最大の地区であり、SIP(Swartland Independent Producers)という組合を結成しています。ぶどうの品種やワインの醸造過程にルールを設けています。
最後に
ここまでが南アフリカの簡単な解説です。
南アフリカは、急成長している生産国の一つで、その評価も年々高まっています。
価格はフランスやイタリアと比較するとお手頃なので、この機会にトライしてみてはいかがでしょうか。