10月18日にワインエキスパートの二次試験を受けて来ましたので、覚えているうちに感想を書いておきます。来年以降、受験させる方の参考に少しでもなればと思っています。
日本ソムリエ協会のHP:https://www.sommelier.jp/
試験の概要

まず最初に今回の試験の概要になります。
試験内容はテイスティングになります。白ワイン2種類、赤ワイン2種類、その他のお酒が1種類出題されます。
試験時間は50分で、回答用紙はマーク式になります。
会場はホテルの宴会場でした。筆者の部屋だけも受験者が200~300人はいたと思います。
入室はあらかじめ受験票に記載された時刻に一斉に行います。早く着いても部屋に入ることはできません。
机にはあらかじめ上記のお酒と水、吐き出すための容器、回答用紙などが入った袋が用意されています。机の上に出していいのは鉛筆、シャープペンシル、消しゴムのみです。時計を置くことはできません。経過時間は試験官が10分おきにアナウンスしてくれます。
試験の手応え
今回、出題されたワインについてテイスティングした感想になります。
下記の表に出題されたワインの正解と筆者の回答の正誤になります。(正解は日本ソムリエ協会のホームページでも確認できます)
フランス○ | リースリング○ | 2019○ |
フランス× | ヴィオニエ× | 2019○ |
スペイン○ | テンプラニーリョ○ | 2017× |
チリ× | カベルネ・ソーヴィニヨン× | 2018○ |
テキーラ○ |
白ワイン①
一つ目の白ワインの正解は、2019年フランスのリースリングです。
香りは開いていましたが、リースリング独特のオイリーな香り(ペトロール香)は強くない印象でしたので、最初はソーヴィニヨン・ブランだと思っていました。
味わいは酸味が強めで、アルコールは中程度に感じました。結果的にこの後の白ワイン②をソーヴィニヨン・ブランにしたため、リースリングを疑うことになります。
そして改めて香りを嗅いだ時、わずかにペトロール香を感じたのでフランスのリースリングを選択。収穫年に関しては、あらかじめ白ワインはすべて2019年にすると決めていたので、迷うことなく回答し、嬉しいことに品種、産地、収穫年をすべて正解しました!
白ワイン②
2つ目の白ワインは、2019年フランスのヴィオニエでした。これまでヴィオニエを一度も飲んだことがないので選べなかったです…
香りは1番のリースリングよりもさらにアロマティックな印象を受けました。少しスパイシーなニュアンスと、甘い香りがありました。一瞬、ゲヴュルツトラミネールかと思いましたが、露骨なライチの感じはなかったので外しました。
色々迷った末に、青っぽさは弱かったですが、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランを選びました。前述の理由で年式だけ正解。
赤ワイン①
1つ目の赤ワインはスペインのテンプラニーリョでした。SNSを見ていると一番難しかったようで、おそらく正答率は最も低いのではないかと思います。
外観はリオハのテンプラニーリョでよく見られるオレンジがかった熟成感は強くありませんでした。ピノ・ノワールなどにしては色調は濃かったです。
香りは開いていて、樽由来であろう甘い香りがしました。飲んでみると、酸味が中心でタンニンは滑らかでした。
外観を除けば、テンプラニーリョっぽいと思ったので、スペイン、テンプラニーリョ、2018年と回答しました。赤ワインの収穫年は事前にすべて2018年にすると決めていたので、こちらは不正解。
赤ワイン②
2つ目の赤ワインはチリのカベルネ・ソーヴィニヨンでした。産地はともかく、カベルネ・ソーヴィニヨンを当てた方は結構多かったみたいです。
外観は1つ目の赤ワインよりも濃く、やや黒みを帯びた色調でした。
香りは開いていて、果実由来の香りのほか、コーヒーのような苦いのあるアロマも感じました。味わいは、酸味がしっかり、さらにタンニンも強めだったためにイタリアのサンジョベーゼを選択しました。
したがって、こちらは収穫年の2018年のみ正解。
感想と対策
結果はまだ分かりませんが、筆者はワインスクールに通って一通り二次試験の対策について学んだのは大きかったと思います。
ヴィオニエなど、普段飲む機会がそこまでない品種も出題されたり、知っている品種でも産地や製法などで香りや味わいは大きく変化するため、品種や産地を完璧に当てることよりもそのワインの傾向が分かる回答を作成できる方が大事だと感じました。
試験の準備に入ると、試験で出題されそうなワインを飲むことが多くなりますが、あまり囚われずに様々な銘柄を飲んで自分なりにコメントを作ってみるといい練習になりそうです。(あまり値段の高いワインは試験対策という意味では避けた方がいいです)
また、可能であれば何人かで集まってテイスティングの練習をすると効果的だと思います!
結果は?
※以下、追記になります(10/29)
最も気になる結果ですが、『合格』でした!
二次試験の合格率は7割前後と高めです。品種や産地を完璧に当てる必要はないと思っています。それよりも外観や香りの部分でしっかりとそのワインの特徴を表現できることが一番大切だと感じています。
実際に筆者の周りにも品種は一つも正解していなくても合格している方もいました。
言葉の定義を押さえて、基本的な回答を作れるように練習するのがポイントではないでしょうか。