ソムリエ・ワインエキスパートの一次試験を2021年8月に受験し、1回目で合格した筆者の体験記になります。
これからソムリエ・ワインエキスパートを受験する人の少しでも参考になればと思い、ここに書くことにしました。
また筆者は独学ではなく、ワインスクール【アカデミー・デュ・ヴァン】に通っていました。座学はもちろんですが、2次試験のテイスティング対策にとても役立ちました。
>ソムリエ・ワインエキスパート2次試験のテイスティングの体験記はこちら
一次試験(CBT)の概要
まず初めに簡単に一次試験の概要を載せておきます。
試験時間は70分で選択式の問題を120問解きます。受験会場を事前に予約し、PCで受験するCBTと呼ばれる方式です。
時間が余ってしまったら試験終了ボタンをクリックして早めに終わることができます。(筆者は40分くらいで終わりました)
試験終了ボタンを押すとすぐに合否がわかります。A,B,C,Dの4段階で判定され、最も優秀なAと、その次のBの2つが合格になります。(筆者はBでした)
手応えは、自信を持って回答した問題が65~70%、2択まで絞れた問題が25%、それ以外5~10%という感触でした。
出題内容の確認
ここからは具体的な勉強方法について書いていきますが、その前にソムリエ・ワインエキスパートの試験は日本ソムリエ協会が毎年出版しているソムリエ教本から出題されます。
年度によって内容が追加されたり、削除されたりしますので必ずその年のソムリエ教本を確認しましょう。(ソムリエ・ワインエキスパートの試験に申し込むと送られてくるので購入する必要はありません)
以下の項目は特に出題が多いため、重点的に学習したい範囲です!
- ワイン概論(ワインの製法、ブドウの栽培、ブドウの病気など)
- 酒類概論(リキュールや日本酒、ビール、ミネラルウォーターなど)
- フランス
- イタリア
- 日本
- アメリカ
- スペイン
- ドイツ
- オーストラリア
- ニュージーランド
- 南アフリカ
ワイン概論
ワイン概論はワインを学習する上で最も基礎となる知識になります。
この範囲は一問も落としたくないのが正直な所ですので、覚えられるまで問題集などを反復すると良いです!
- ワインの区分
- ワインの製法(赤、白、ロゼ)
- ブドウの栽培(気候条件、シーズン、病気とその対策)
- スティルワイン、スパークリングワインの糖度別の名称
酒類概論

ワイン以外のお酒についてです。あまり興味が湧かない人も一定数いると思いますが、マニアックな問題が出題されないので押さえたい範囲です!
興味を持ったらバーで色々試してみると面白いかもしれないです。
- ビール
- ウィスキー
- ブランデー(コニャック、アマルニャック、カルヴァドス)
- 日本酒・焼酎
- スピリッツ・リキュール
フランス

ワインの生産国の中で最も出題されるのはやはりフランスです。
初めにフランスのワインに関する法律を覚えましょう。
続いて、地図をチェックしながら主要都市、山脈と地方の場所を押さえました!
- フランスのワインに関する法律(AOC)
- 地図の確認
- 主なAOCの特徴
フランスの地図では次の箇所の位置を把握しておくといいです。
- 都市:パリ、マルセイユ、ボルドー、ナント、トゥールーズ
- 山脈:ピレネー山脈、アルプス山脈、ヴォージュ山脈
- 河川:ロワール川、ローヌ川、ライン川、セーヌ川
- 地方:シャンパーニュ地方、アルザス地方、ロワール地方、ブルゴーニュ地方、ボルドー地方、ローヌ地方、プロヴァンス地方、ジュラ・サヴォワ地方、南西地方
シャンパーニュ地方
- シャンパーニュの製法
- Montagne de Reims, Vallée de la Marne, Côte des Blancsのグラン・クリュ
- Rosé des Riceysについて
- NM, RMについて
- ノン・ヴィンテージとミレジメについて
シャンパーニュの製法をまずは覚えましょう!クレマンやカヴァも同様の製法になります。
シャンパーニュ地方のグラン・クリュの覚え方のコツです。Vallée de la Marneの3つをま初めに覚えて、AvizeとLe Mesnil sur OgerがCôte des Blancsであることを覚えたら、頭文字がCもしくはOで始まるのがCôte des Blancsの残りのグラン・クリュになります。
ブルゴーニュ地方
- 北から順にすべての村を覚える
- 地図でグラン・クリュの位置を覚える村:Chablis, Gevrey-Chambertin, Vosne-Romanée, Puligny & Chassagne Montrachet
- 2つの村にまたがるグラン・クリュ
- グラン・クリュのない村
- 赤のみ生産可能な村
- クリュ・デュ・ボージョレの地図
Chablis, Gevre-Chambertin, Vosne-Romané, Puligny&Chassagne Montrachetは地図問題でよく出題される印象です。
Vosne-Romanéeはモノポールのグラン・クリュも押さえておきましょう!
ロワール地方
- ロワール川右岸のAOC
- 白のみ生産可能なAOC(品種も合わせて覚える!)
- 半甘のロゼの産地
- AOC Sancerreの生産可能色は要注意!
ロワールは右岸にあるAOC、ロモランタンなど変わった品種を使うAOCを中心に覚えます。土壌についても問われることがあるので併せてチェックすることをお勧めします。
ボルドー地方
- 地図で位置を覚えるAOC:Haut-Médoc, Sauternes/Barsac, Saint-Émilion/Pomerol
- 格付:メドックは2,3,4級の銘柄と村、グラーヴは赤のみと白のみの銘柄、ソーテルヌ・バルサックはプルミエ・クリュの村、サンテミリオンはプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAの4銘柄
Haut-Médoc、Sauternes/Barsac、Saint-Émilion/Pomerolの村を覚えましょう。
メドック格付は級×村で覚えます。一級はまず出ないので2,3,4級を完璧にしましょう。5級は出ますが、消去法で選べることも多いです。
共通点を見つけることも大切です。例えば、Cosと付けばサンテステフ、Grand-PuyやLynchとくればポイヤックなどです。
ソーテルヌ・バルサックはプルミエ・クリュの村、サンテミリオンはプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAの4銘柄、そのうち2012年に認められた2銘柄を押さえます。
グラーヴは白のみのCouhins, Couhins Lurton, Laville Haut Brionの3つと、Pape Clément, Fieuzalが赤であることを覚えたら、後はHautが付けば赤のみの銘柄で、Hautが付かなければ赤・白両方の銘柄になります!
ローヌ地方
- ローヌ北部で白のみ、赤のみ生産可能なAOC
- ローヌ北部でローヌ川左岸にあるAOC
- AOC Châteauneuf du Papeで認められていない品種
- AOC Gigondas, Tavel, Rasteauの生産可能色
AOC Châteauneuf du PapeではRoussanne, Marsanneのうち、Marsanneは使用できないので注意しましょう。
Gigondas, TavelとV.D.N.の産地であるRasteauについては要チェックです。
プロヴァンス地方・コルシカ島
- 地図:マルセイユに一番近いAOC、最東のAOC、最西のAOC
- AOC Bandolの赤の品種
- コルシカ島:ナポレオンの生誕地
プロヴァンス地方のAOCの大まかな地図は頭に入れておきましょう。
マルセイユやニースの位置を基準にすると覚えやすいと思います。
ラングドック・ルーション地方
- トラモンタン、カルカッソンヌについて
- 最大のAOC
- Limoux Méthode Ancestraleの製法と品種について
- V.D.N.の産地について
南西地方
- 地図で位置を覚えるAOC:Monbazillac, Saussignac, Rosette, Cahors, Irouléguy
- AOC Cahors, AOC Madiranの品種について
イタリア

イタリアはフランスに続いて重要な生産国になります。こちらもワインに関する法律を最初に確認しました。
続いて、地図を利用して最低限の主要都市、河川・山脈を把握した後、イタリアを構成する20州を完璧に覚えました。
最後に、州ごとのDOCGにおけるポイントを押さえていきます!
- イタリアのワインに関する法律(DOP)
- 20州の名前と位置
- 主なDOCGの特徴
イタリアの地図では次の箇所の位置をチェックします。
- 都市:ミラノ、ローマ、ヴェネチア、フィレンツェ、ナポリ
- 山脈:アルプス山脈、アペニン山脈
- 河川:ポー川、テヴェレ川
ピエモンテ州
- DOCG×品種で覚える
- DOCG Roeroの生産可能色
ピエモンテ州のDOCGを覚える際に大事なのは品種で分けて覚えることです。
ネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェット、白ワインにそれぞれDOCGを分けましょう。ネッビオーロのシノニムも要チェックです!
余裕があったらバローロとバルバレスコの村も頭に入れておくと良いです。
ロンバルディア州
- Valtellinaと付くDOCGの品種
- DOCG Moscato di Scanzoの生産可能色
Valtellinaと付くDOCGで用いられる品種はネッビオーロですが、この地域での呼び方が問われます。
ヴェネト州
- 二つの州にまたがるDOCGの名前と品種
- Proseccoの品種
- 陰干しブドウを使用するDOCG
- DOC Valpolicella Ripassoの特徴
フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州にまたがるDOCG LisonはTannatという珍しい品種を使用するので一緒に覚えておくといいでしょう。
DOC Valpolicella Ripassoはブドウの搾りかすを入れて再発酵させています。
トスカーナ州
- トスカーナ州で唯一白のDOCG Vernaccia di San Gimignano
- カベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドするDOCG Carmignano
- DOCG Morellino di Scansanoの品種
- Vino Nobile di Montelpulcainoについて
余裕があったらDOCG Chiantiのソットゾーナも確認するといいでしょう。
また、カベルネ・ソーヴィニヨンが主体のDOC Bolgheli(DOC Bolgheli Sassicaia)は有名なので出題されることもあります。
ウンブリア州
- 赤のみのDOCGが2つ
ウンブリア州の2つのDOCG Montefalco Sagrantino, Torgiano Rosso Riservaは覚えておくと消去法で選択肢から消せる場面があるかと思います。
マルケ州
- DOCG Còneroの品種
- 5つのDOCGの生産可能色
DOCG Còneroの品種Montepulcainoはたまに聞かれたりします。
ラツィオ州
- DOCG Cesanese del Piglioの品種
- 3つのDOCGの生産可能色
DOCG Cesanese del PiglioはCesanese(チェザネーゼ)で、赤のみ生産します。
残りの2つのDOCGはFrascatiと付いて色は白のみです。
カンパーニア州
- DOCG Greco di Tufoの土壌
- 4つのDOCGの生産可能色
DOCG Greco di Tufoの土壌はその名の通り、Tufoで凝灰岩土壌になります。
なお、赤のDOCGはアリアニコ主体です。
プーリア州
- ロゼのDOCGの名前
- Zinfandelの別名
Castel del Monte Bomdino Neroはイタリアでは珍しいロゼのみのDOCGです。
カリフォルニアのZinfandelはイタリアではPrimitivoと呼ばれており、Primitivo di Manduria Dolce Naturaleという甘口の赤ワインのDOCGがあります。
カラブリア州
- DOC Ciròについて
カラブリア州にDOCGはありません。DOC Ciròは古代ギリシャのオリンピックの勝者に振る舞われたワインとしてたまに聞かれます。
日本

日本については覚える量がフランス・イタリアに比べて少ないです。
私たちにとって馴染みのある地名ですのでしっかり得点に繋げたい範囲です!
- 日本のワインに関する法律
- ブドウ栽培・ワイン造りの歴史
- 産地の特徴(山梨県、長野県、北海道、東北)
山梨県
- 黒ブドウ・白ブドウの品種の第1位
- 甲州、マスカット・ベーリーAがOIVに登録された年
- 甲府盆地の地区と標高
- ワイン特区
- 歴史について
長野県
- 4つのワインバレー
- 黒ブドウ・白ブドウの品種の第1位
北海道
- 各地方の名前と位置
- 黒ブドウ・白ブドウの品種の第1位
東北地方
- 山形県・岩手県の黒ブドウ・白ブドウの品種の第1位
- 山形県のワインの産地
- 甲州が栽培できる北限
- 東北最古のワイナリー
アメリカ

アメリカに関してもこれまで同様まずはワインに関する法律を確認する所から始めました。ここで注意したいのが、アメリカの場合州によって法律が若干異なるということです。
カリフォルニア州と、一番厳しいオレゴン州については入念に確認しましょう!
- アメリカのワインに関する法律(AVA)
- 主なAVAの特徴
アメリカの地図は山脈と河川の位置が特に大切です。
- 都市:サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、ニューヨーク
- 山脈:カスケード山脈
- 河川:コロンビア川、ハドソン川
カリフォルニア州
- 5つの主要広域AVAの位置(North Coast, Central Coast, Sierra Foothills etc.)
- 主要品種の確認
- ノース・コーストとセントラル・コーストに属するAVA
- ナパ・ヴァレー内のAVAと山脈の名称
- ソノマ・コースト内のAVA
カリフォルニア州はアメリカでワイン産出量が最大で、出題も多い範囲です。
ナパ・ヴァレーは細かいAVAについて聞かれるので要チェックです。例えば、最北のAVA(Calistoga)やソノマ・コーストにまたがるAVA(Los Carneros)は頻出です!
ワシントン州
- コロンビア川とカスケード山脈の位置
- 気候と主要品種の確認(灌漑)
- Puget Sound, Columbia Valley, Yakima Valley, Walla Walla Valley, Columbia Gorgeの位置
ワシントン州はほとんどの産地がカスケード山脈の東側にあります。
非常に乾燥していてフィロキセラの被害がないため、接木せずに自根で栽培されている点も覚えておきましょう!
オレゴン州
- コロンビア川とカスケード山脈の位置
- 気候と主要品種の確認
- デイヴィッド・レットについて
- Willamette Valley, Dundee Hills, Columbia Valley, Walla Walla Valley, Snake River Valley, Umpqua Valley, Rogue Valleyの位置
オレゴン州の地図はワシントン州と繋げて覚えると位置関係が分かりやすいです。
アメリカで最も厳しいワインの法律を定めています。オレゴン州とワシントン州にまたがるAVAもあるので、AVAの名前を見た時にどちらの州に属するか判別できるようにしたいです!
ニューヨーク州
- オンタリオ湖、エリー湖の位置
- 気候について
- フィンガー・レイクスのサブ・リージョン
- コンスタンティン・フランク博士とシャルル・フルニエについて
ニューヨーク州はフィンガー・レイクスのサブ・リージョンまでチェックしておきましょう。
また、極端な大陸性気候で気温が下がるため、ヴィティス・ヴィニフェラ種が育たないと思われていたということも頭の隅に入れておきたいです。
スペイン

スペインはフランス、イタリアに次ぐワインの生産国のイメージがあるかと思いますが、その2つの国に比べれば覚える量も少ないので積極的に正解したい範囲です。
唯一厄介なのが酒精強化ワインのシェリーかと思います。シェリーの種類別の違いも余裕があったら覚えておきたいところです!
- スペインのワインに関する法律
- 主なDOCa, DOの特徴
スペインの地図は下記の項目をチェックしましょう。
- 都市:バルセロナ、マドリード、バレンシア、バレアレス
- 山脈:ピレネー山脈
- 河川:エブロ川
D.O.Ca.
スペインの原産地呼称のトップにあたるD.O.Ca.はリオハとプリオラートの二つのみです。それぞれが属する州と登録年は確実に覚えます。
リオハについては3つのサブ・リージョンも出題されます。また、リオハ統制委員会が1926年に設立されたことも覚えておくと良いです。
D.O.
次のD.O.が属する州と品種はチェックしておくことをオススメします!
ナバーラ、カリニェナ、ソモンターノ、リアス・バイシャス、ペネデス、リベラ・デル・ドゥエロ、ルエダ、トロ、ラ・マンチャ
また、カタルーニャ州、リベラ・デル・ドゥエロ、ラ・マンチャにおけるテンプラニーリョのシノニムも必須です。
カヴァの産地と使用できる品種とその特徴もよく問われます。
シェリー
シェリーについては産地の土壌と気候、製法(クリアデラとソレラ)、シェリーのタイプが重要なポイントです。
シェリーのタイプは種類が多く覚えにくいですが、特にフィノ、マンサニーリャ、アモンティリャド、オロロソ、ペドロ・ヒメデスが重要だと思います。
ドイツ

ドイツは名称がなかなか覚えにくいと感じる人も多いはずです。
単語の意味を把握すると少しは楽になるので調べてみるといいかもしれません。例えば、Blau=黒い、Burugunder=ブルゴーニュのことが合わさって、Blauburgunder=ピノ・ノワールのような感じです。
- ドイツのワインに関する法律
- 13ヵ所の特定産地を覚える
- 主要品種の名称
ドイツのワインの法律はこれまでの国とは違っていて、糖度による分類があります。プレディカーツヴァインの6つの肩書き(トロッケンベーレンアウスレーゼ〜カビネット)とそれぞれのエクスレを覚えましょう。
主要な産地は13ヵ所あります。最大の産地がラインヘッセン、2番目がファルツ、3番目がバーデン、面積最小がヘシッシェ・ベルクシュトラーセ、最東のゼクセンは答えられるようにしたいです。(ベライヒの数は41個)
また、アールは赤ワインの生産量が多いこと、高品質なリースリングの産地モーゼル、フランケンはボックスボテイルという特殊な形状のボトルが使われていることも押さえておきたいです。
オーストラリア

オーストラリアと次のニュージーランドは、筆者が得点源にした範囲です。似たような名前で混同することもあるかと思いますが、何度か繰り返しているうちに覚えられるのではないでしょうか。
オーストラリアのワイン法は複雑ではありません。どちらかと言えば、ブドウ栽培とワイン造りの歴史の方が重要です。フィロキセラの被害によって主要な産地が変わる点も押さえておきましょう。
- オーストラリアのワインに関する法律
- ブドウ栽培・ワイン造りの歴史
- 地図でオーストラリアを構成する6つの州
- 各州の産地と主要品種
- 酒精強化ワインの種類
南オーストラリア州
オーストラリアのワインの産地の中で最も大事な州です。バロッサ・ヴァレーをはじめ、エデン・ヴァレー、アデレート・ヒルズ、クレール・ヴァレーなどの産地の位置を覚えましょう。
少し離れた所にあるクナワラはテラロッサという土壌の名称も問われることがあります。
また、主要品種もチェックしましょう!
ヴィクトリア州
ヴィクトリア州は冷涼でピノ・ノワールやシャルドネの産地となっています。
モーニントン・ペニンシュラではピノ・ノワールの国際的な品評会が開催されています。ジーロングはピノ・ノワールやシャルドネの重要産地です。
ヘンティーは同国内で最も冷涼な産地であることも把握しておきましょう。
ラザグレンはマスカット、ミュスカデルを用いた酒精強化ワインの産地となっています。
西オーストラリア州
西オーストラリア州は、スワン・ディストリクト、マーガレット・ヴァレー、グレート・サザンの位置をチェックします。
グレート・サザンについてはサブ・リージョンのデンマークやマウント・バーカーなども余裕があったら覚えておきたいです。
ニュー・サウス・ウェールズ州
オーストラリアで初めてワイン造りが行われたのがニュー・サウス・ウェールズ州です。
ハンターの品種(シラーズとセミヨン)を問われることがあります。
タスマニア州
タスマニアには1823年にブドウが植えられ、ヴィクトリア州と同様に冷涼な地域です。
ピノ・ノワールとシャルドネを中心に栽培しています。
酒精強化ワイン
酒精強化ワインはシェリーに相当するアペラ、ポートに相当するフォーティファイドとトパークについて確認しましょう。
等級の名称がどの酒精強化ワインのものなのか判別できることが大切です。
ニュージーランド

ニュージーランドのワイン法はオーストラリアと同様85%ルールなので難しくないです。スクリューキャップの使用率が高いことで有名です。
ワインの歴史に関する出題はそれなりにあるので一通り覚えました。(ピノ・ノワールのクローンなども)
一番大事なのは主要産地と一部のサブリージョンの特徴を押さえることが大切です!
- ニュージーランドのワインに関する法律
- ブドウ栽培・ワイン造りの歴史
- 各産地の特徴
北島
初めに地図で大まかな生産地域の位置と首都ウェリントンの位置をチェックします。
オークランドの3つのサブリージョンの名前、ワイララパのサブリージョン(特にマーティンボロー)の名前をまずは覚えました。
北部は亜熱帯気候であることも忘れないようにしましょう。
南島
こちらも地図で大まかな生産地域の位置を把握します。
マールボローの3つのサブリージョン、カンタベリーにあるワイラパ・ヴァレー、セントラル・オタゴのサブリージョンが重要です。
ワイラパ・ヴァレーと北島のワイララパは混同しないように注意が必要です。
セントラル・オタゴは南半球で最南端の生産地で、気候は半大陸性です。サブリージョンに関しては、最も標高が高いギブストン・ヴァレー、川石や砂の土壌のピサ・レンジ、最も暖かいベンティゴ、冷涼なワナカ、シスト土壌のアレクサンドラなど、特徴と併せて覚えることが大切です!
南アフリカ

南アフリカはそんなに難しい問題が出題されないので、正解したい範囲です。
- 南アフリカのワインに関する法律
- ブドウ栽培・ワイン造りの歴史
- 気候・主要品種
- 西ケープ州の6つの地域と主要産地
まずはワイン法を確認して、KWVの設立年などワイン造りの歴史を覚えましょう。
気候は地中海性気候で、ケープドクターと呼ばれる風の名称が聞かれます。また、寒流の名前(ベンゲラ海流)も知っておいた方がいいです。
主要品種に加え、シュナン・ブランのシノニム(Steen)とピノタージュの交配品種(ピノ・ノワール×サンソー)はよく出題されます。また、ピノタージュを交配した人物も併せてチェックしました。
西ケープ州に属する6つの地域を地図で確認したら、沿岸地域を中心に細かい産地を覚えていきます。
醸造が学べる大学があるステンボッシュ、KWVの本拠地であるパール、西ケープ州最大の地区であるスワートランドとSIPについて、甘口のワインの産地であるコンスタンシアがあるケープタウンが重要です!
参考書と問題集
ここまでお読み下さった方々、ありがとうございました!
上記の範囲を抜け目なくしっかりと学習すれば合格がだいぶ見えてくるのではないかと思います。
最後に勉強に役立つ参考書や問題集をご紹介します。
受験のプロに教わる ソムリエ試験対策講座 ワイン地図帳付きは、わからないことがあったらすぐ調べらるのにとても役立ちます。独学で勉強されている方には特にオススメです!
市販されている問題集でオススメなのはこちらです。1200問とボリュームがあり、繰り返し解けば基礎的な知識は完璧に身につくと思います。

さらに毎回ランダムで問題が出題されるので、解答を覚えてしまうことなく真の実力が身につけられるということではワイン受験.comも活用するといいかと思います!
筆者は、ワインスクールの教材+受験のプロに教わる ソムリエ試験対策講座 ワイン地図帳付きに加え、アカデミー・デュ・ヴァンから出版されている「J.S.A.ソムリエ・ワインエキスパート試験対策 最強の問題集2800+」を最低2周、覚えにくかった範囲は4周して無事に一次試験に合格しました!
この記事が少しでも皆さんのソムリエ・ワインエキスパート受験の役に立てば幸いです。
受験される皆様、応援しております!!
