フランス語の「tout」と「tous」はどちらも「すべて」という意味を持つ単語になりますが、どちらを使えばいいか迷うこともあるかと思います。今回はその違いを踏まえて、使い分ける方法を解説していきます!

「tout」と「tous」の使い分け
toutとは「すべて」という意味の単語ですが、品詞としては形容詞・代名詞・副詞の3パターンで使われるがゆえに紛らわしくなっています。
そして、形容詞と代名詞として使われる際に性数一致によって「tous」あるいは「toutes」に変化します。
単数形 | 複数形 | |
男性形 | tout | tous |
女性形 | toute | toutes |
形容詞の場合
形容詞で使われる場合、修飾する名詞の性と数に応じて変化します。
それぞれのパターンに合わせて例文をご紹介します。
男性/単数:Tu es tout le temps en retard.
君はいつも遅刻してくるね。
男性/複数:Il prend du café tous les matins.
彼は毎朝コーヒーを飲む。
女性/単数:Demain, elle aura des réunions pendant toute la journée.
明日、彼女は一日中ずっと会議がある。
女性/複数:Nous remercions à toutes les personnes qui ont participé.
私たちは参加したすべての人に感謝をしています。
代名詞の場合
代名詞とはその名の通り、名詞の代わりとして使われ、「皆んな」や「すべて」などの意味で使われます。
なかなかイメージが湧かないと思いますので、よく使うフレーズをいくつか載せておきます。
この場合、取って代わる名詞に合わせて性数一致します。
Bonjour à tous.
皆さん、こんにちは。
Toutes sont prêtes pour le départ.
皆んな(女性)出発の準備が整っている。

副詞の場合
副詞で使われる場合、形容詞や他の副詞を修飾するため、基本的には性数変化せず「tout」を使います。
唯一、例外として修飾する形容詞が女性形の場合は性数一致をし「toute」もしくは「toutes」となります。
例:
Elle est toute seule dans la cuisine
彼女はキッチンにたった一人でいます。
ただし、形容詞が子音もしくは無音の”h”で始まる場合は、性数一致せず「tout」のままです。
例:
Elles étaient tout excitées à l’idée de voyager aux Etats-Unis pendant les vacances d’été.
彼女たちは夏休み中にアメリカに旅行するアイデアにとても興奮していた。
まとめ
「tout」の使い方はややこしいですが、結論としては、ほとんどの場合において「tout」は性数変化すると考えていいかと思います。
副詞として使われる場合のみ注意が必要です!
