フランス語の複合過去において、助動詞êtreとavoirのどちらを使えばいいか迷うことはありませんか?
今回はその使い分け方について解説していきます。

avoirを使う場合
フランス語の複合過去は基本的にavoirを使うことがほとんどです。
この場合、過去分詞は主語と性数一致しません。
例:Elle a décidé de travailler aux Etats-Unis après mes études.
彼女は卒業後、アメリカで働くことに決めました。
ただし、過去分詞の前に直接目的語がある場合、直接目的語の性数に合わせる必要があります。
例:La maison que j’ai louée était loin de la gare.
私が借りた家は駅から遠かった。

êtreを使う場合
êtreを使うケースは例外的で、いくつかのパターンに分類できるため、それらを覚えておくことが大切です。

移動や状態の変化を表す動詞の場合
代表的な動詞が14個あり、それらの頭文字を取って「DR & MRS VANDERTRAMP」という覚え方があります。
- Devenir (になる)
- Rester (留まる)
- Mourir (死ぬ)
- Retourner (戻る)
- Sortir (出る)
- Venir (来る)
- Aller (行く)
- Naître (生まれる)
- Descendre (降りる)
- Entrer (入る)
- Rentrer (帰宅する)
- Tomber (落ちる)
- Retourner (戻る)
- Arriver (到着する)
- Monter (上がる)
- Partir (出発する)
例文:Nous sommes arrivés vers midi.
私たちは正午ごろ着きました。
Elle est née à Rome.
彼女はローマ生まれです。
ただし、目的語がある場合はavoirを使います。
例:Elle a sorti la voiture du garage.
彼女は車庫から車を出しました。
この場合、la voitureが目的語になっているのでavoirを使い、性数一致はしません。
代名動詞(se+動詞)の場合

Se+動詞で構成される代名動詞は、主語自身が「〜する」という意味になります。この場合も主語に合わせて性数一致します。
例:Elles se sont réveillées à 7h30.
彼女たちは7時半に起きました。
代名動詞として他にもse laver(洗う)、se tromper(間違える)、se dépêcher(急ぐ)などがあります。
練習問題
最後に練習問題を用意しましたので、カッコ内の動詞を正しい活用にしてみて下さい。
- Ils (monter) leurs bagages dans leurs chambres.
- Les pommes qu’elle (me donner) étaient très délicieuses.
- Elles (venir) en vélo.
- Elle (réussir) son examen d’entrée à l’université.
練習問題の解答
- Ils ont monté leurs bagages dans leurs chambres.
彼らは自分たちの部屋に荷物を上げました。
直接目的語があるのでavoirを使い、性数一位しないことに注意しましょう! - Les pommes qu’elle m’a données étaient très délicieuses.
彼女がくれたりんごはとても美味しかったです。
こちらは過去分詞の前に直接目的語があるので、性数一位します。 - Elles sont venues en vélo.
彼女たちは自転車で来ました。 - Elle a réussi son examen d’entrée à l’université.
彼女は大学の入試試験に受かりました。