文は一般的に能動態と受動態の二つに分けることができます。
今回は、フランス語の文章のうち受動態の構成について言及していきます。
受動態とは
主語が述語の動作主である能動態(la voix active)に対して、受動態(la voix passive)は主語が述語の動作の対象になります。
まず日本語での例を紹介します。
能動態:あの男が私の自転車を盗みました。
受動態:私の自転車はあの男に盗まれました。
受動態の場合、述語(=盗まれる)の対象である『私の自転車』が主語になっていることが分かります。
構成
それでは、フランス語の受動態の文の構成を紹介します。上記で取り上げた文をフランス語にしたいと思います。
能動態:Cet homme a volé mon vélo.
受動態:Mon vélo a été volé par cet homme.
間にêtreの過去分詞が入っています。(元の文章が複合過去なので、過去分詞が二つあります)
受動態:être+動詞の過去分詞
もっともシンプルな現在形の文です。
Mon père achète ces livres.(能動態)
私の父がこれらの本を買います。
Ces livres sont achetés par mon père.(受動態)
これらの本は私の父に買われます。
前置詞
受動態にした時に使われる前置詞は二つです。用法の違いを覚えましょう。
- par
- de
par
parは『人・モノによって』という意味になります。最もよく使うのはparの方です。
Cette peinture a été dessiné par lui.
この絵は彼によって描かれました。
de
deはある状態が継続している時、あるいは無生物主語の時に使われます。
Il est respecté de tout les élèves.
彼は生徒全員から尊敬されています。
>de, par, à, enなどフランス語でよく使う前置詞の解説
練習問題
次の文を受動態にして下さい。
① Paul a cassé la vase.
② Tout le monde adore Marie.
③ Le Corbusier a conçu ce bâtiment dans les années 1930.
解答
① Paul a cassé la vase.
→ La vase a été cassé par Paul.
花瓶はポールによって壊されました。
② Tout le monde adore Marie.
→ Marie est adorée de tout le monde
マリーはみんなから好かれています。
③ Le Corbusier a conçu ce bâtiment dans les années 1930.
→ Ce bâtiment a été conçu par Le Corbusier dans les années 1930.
この建物は1930年代にル・コルビュジェによって設計されました。