フランス語の過去時制!複雑な使い方を分かりやすくを解説

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既にご存知の方も多いかもしれませんが、フランス語の動詞の活用の過去形には複数の時制があります。

英語よりも複雑であるため、どのような使い分けをしたら良いのか掴めず難しく感じているのではないでしょうか。

今回の記事では、正しく時制を使いこなせるようなるべく分かりやすく解説していこうと思います!

目次

直説法過去の時制とは

直説法過去の時制は主に5つありますが、今回紹介するのは太文字の4つになります。

  • 単純過去(le passé simple)→現在ではほとんど使われない(文学ではよく目にする)
  • 複合過去(le passé composé)→重要!
  • 半過去(l’imparfait)→重要!
  • 大過去(le plus-que-parfait)→重要!
  • 近接過去(le passé récent)→重要度は落ちるが、習得すると表現の幅が広がる

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複合過去(passé composé)とは

複合過去はフランス語で最も使われる過去の時制です。まずは複合過去の作り方になります。

  1. avoirの現在形 + 動詞の過去分詞
  2. êtreの現在形 + 動詞の過去分詞

複合過去では、助動詞がêtreの場合は性数一致することに注意しましょう!(初めのうちは本当に忘れがちです…)

Elles sont parties en vacances la semaine dernière.
→彼女たちは先週バカンスに出発しました。

複合過去は過去のある点(一定期間でも可)における事象を指します。ここで大切なのは、その事象が既に完了していることです。

例文を2つ見てみましょう。

①J’ai acheté un livre hier.
→私は昨日本を買いました。

②Elle a habité à Londres pendant dix ans.
→彼女はロンドンに10年間住んでいました。(今は住んでいない)

どちらもその行為が既に完結していることが分かるかと思います。

半過去(imparfait)とは

続いて、半過去になります。上で解説した複合過去との違いをしっかり理解しましょう。

半過去では、過去においてある状態が継続していたことを表します。

早速、例文を見ていきましょう。

①Elle habitais à Londres quand elle avait 20 ans.
→彼女は20歳の時にロンドンに住んでいました。

②Hier soir, je n’ai pas pu regarder la télé parce que j’avais de la fièvre.
→昨夜、私は熱があったためテレビを観ることができませんでした。 

1つ目の例文では、彼女が20歳の時にロンドンに住んでいたことを表しています。

いつからいつまで住んでいたのかは不明ですが、一定期間住んでいたという状態にあったことが分かります。もしかしたら今も継続して住んでいるかもしれないため、事象が完了したとは言い切れないので、複合過去ではなく半過去になります。

2つ目の例文では、複合過去と半過去の両方が使われています。テレビを観るという本来であれば完了している事柄が、一定の間熱があったことによりできなかったというように捉えることができます。

大過去(plus-que-parfait)とは

大過去になります。まずは大過去の作り方を確認します。

複合過去とほぼ一緒ですが、助動詞の活用形が半過去に変わります。

  1. avoirの半過去 + 動詞の過去分詞
  2. êtreの半過去 + 動詞の過去分詞

大過去は、ある過去の時点既に完了している事象を指す時に使われます。

早速、例文を挙げてみます!

①Quand je suis arrivé à l’aéroport, l’embarquement était déjà fini.
→私が空港に着いた時、既に搭乗手続きは終了していました。

ある過去の時点というのが私が空港に着いた時であり、既に完了していたのが搭乗の手続きになります。

このように、大過去は複合過去や半過去と一緒に使われることが多いです。

また余談ですが、助動詞はêtreなので、男性名詞であるembarquement(=搭乗)と性数一致します。

②Je n’avais jamais lu ce roman avant d’entrer à l’université.
→私は大学に入学するまでこの小説を読んだことがありませんでした。

この例文では、ある過去の時点というのが私が大学に入学した時になります。

①のように複合過去や半過去がないので少し分かりにくいかもしれませんが、明確な点を示しているので大過去を使用します。

近接過去(passé récent)とは

近接過去もまずは作り方から確認します。決して難しくありません。

venirの現在形 + de(d’)+ 動詞の不定法(=原形)となります。

venirの現在形の活用は下記の通りです。

  • je viens
  • tu viens
  • il/elle/on vient
  • nous venons
  • vous venez
  • ils/elles viennent

近接過去を日本語にすると「〜したばかりだ」「〜してきた」という訳になります。

Elle vient d’aller à la pharmacie.
→彼女は薬局に行ってきたばかりです。

このようにさほど遠くない過去を表したい場合に近接過去を用います。

まとめ

最後に簡単な図でイメージをまとめておきました。

過去時制

説明は以上になります。最後までご覧頂きありがとうございました!

練習問題を3問用意しましたので、良かったらトライしてみて下さい。

練習問題

カッコ内の動詞を適当な時制に活用して下さい。

① Ce matin, elle(manger)du riz pour le petit déjeuner.

② Je(habiter)longtemps à New York avant de venir à Tokyo en 2009.

③ Hier, il(être)heureux parce que son équipe de football a gagné le match.

解答

① Ce matin, elle a mangé du riz pour le petit déjeuner.
→今朝、彼女は朝食にお米を食べました。

朝食という具体的な点であり、朝食は完了しているので複合過去になります。

② J’avais longtemps habité à New York avant de venir à Tokyo en 2009.
→私は2009年に東京に来るまで長い間ニューヨークに住んでいました。

2009年に東京に来たという過去の基準点があるので、大過去になります。

また、大過去や複合過去では副詞(ここではlongtemps)を助動詞と過去分詞の間に入れることにも注意です!

③ Hier, il était heureux parce que son équipe de football a gagné le match.
→昨日、彼のサッカーチームが試合に勝利したので彼は嬉しかった。

嬉しかったという状態が一定期間続いたので、半過去になります。

>フランス語文法の学習手順はこちら

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